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月別アーカイブ: 2025年6月

品川組のよもやま話~第10回~

皆さんこんにちは!


有限会社品川組、更新担当の中西です。

 

 

 

ガス配管工事の鉄則:安全と信頼を支える“見えないルール”

 

 

 

ガスは「便利でクリーン」なエネルギーですが、その反面、取り扱いを誤れば重大な事故につながるリスクもある非常に繊細なインフラです。


だからこそ、ガス配管工事には“決して破ってはいけない鉄則”が存在します。

今回は、現場のプロたちが徹底して守っている「ガス配管工事の鉄則」を、技術面・管理面・安全面からわかりやすく解説していきます。


◆ 鉄則①:絶対に“ガス漏れ”を起こさない構造を作る

 

最も重要な鉄則、それは**“漏れゼロ施工”**です。

  • 接合部のねじ込みはシール材の選定・締付トルクの適正管理が必須

  • フレキ管接続では“パッキン劣化・増し締め”に頼らない構造づくり

  • 配管ルートは最短で曲げを最小限に、支持間隔と固定具の設置を厳守

さらに、施工後の「漏洩試験」は100%必須
圧力をかけて24時間後に減圧がないことを確認する「気密試験」が行われます。


◆ 鉄則②:地中配管は“防食・耐震・保護”を三位一体で行う

 

地中配管の設計・施工では、外的要因に対する保護が鉄則です。

  • 鋼管には被覆処理と耐食塗装

  • ポリエチレン管の場合は“接続部の溶着精度”とトレーサー線の敷設

  • 管路上部に“警告シート”や“砂埋め・コンクリート保護”を施す

また、耐震設計が重要視される地域では、**折損防止構造(ベローズ接続・伸縮継手)**が使われます。


◆ 鉄則③:屋内配管は“目立たず、点検しやすく、美しく”

 

屋内のガス配管工事では、安全性と同時に生活空間としての見た目や利便性も重視されます。

  • 冷暖房配管・給水管との交差は避ける(感電・腐食のリスク)

  • 床下・天井裏など“隠蔽部配管”には点検口を設置

  • バンドやクランプは壁・梁の素材と強度を見極めて施工

万が一の点検が“しやすい”か?」までを考えて設計するのが、プロの仕事です。


◆ 鉄則④:施工記録と検査報告は“ガス事業者の責任”

 

ガス工事は、施工して終わりではありません。

  • 配管図・接続図・試験結果などを「帳票」として残す

  • 使用開始前に事業者立ち会いによる最終チェック

  • 消費者への“取扱説明・注意点”の明文化(法定義務)

万一トラブルが起きた際に備え、「誰が・どこで・どう施工したか」の透明性が求められています。


◆ 鉄則⑤:事故・災害を“想定して備える”施工を心がけよ

 

近年、地震・水害・台風によるガス供給停止が問題となる中、
施工者には「災害時にも安全が確保される構造」が強く求められています。

  • 屋外機器には風雨・倒壊対策の架台施工

  • ガスメーターには「マイコン遮断機能」付きの製品を標準装備

  • 長期不在時にも安心な「自動遮断・遠隔遮断システム」への対応

「想定外を想定しておく」ことこそ、安心を“設計できる”技術者の証明なのです。


◆ まとめ

 

ガス配管工事の鉄則は、単なる技術の話ではありません。
それは「事故を起こさないという信念」であり、「人の命を預かるという覚悟」でもあります。

“あって当たり前”のガスを、“何事もなく”使える社会を守るために、
ガス配管の現場には、今も昔も変わらぬ厳格なルールと誇りが息づいています。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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品川組のよもやま話~第9回~

皆さんこんにちは!


有限会社品川組、更新担当の中西です。

 

 

 

ガス配管工事の歴史:暮らしと都市を支えてきた“見えないインフラ”の歩み

 

 

 

私たちの暮らしに欠かせない「ガス」。


そのガスを安全・確実に届けるための配管工事は、表に出ることは少ないながらも、都市機能や日常生活を陰で支えてきた重要なインフラ工事です。


今回は、そんな「ガス配管工事」の歴史をたどりながら、どのように今の技術に至ったのかを振り返っていきます。


◆ 日本におけるガス供給のはじまり

 

日本で初めて都市ガスが供給されたのは、1872年(明治5年)、横浜でのこと。
それまでは薪や炭火が主流だった生活に、“ガスの火”が灯る瞬間が生まれました。

  • 初期の用途は「ガス灯」照明。

  • 明治後期〜大正期にかけて、東京・大阪など主要都市でガス会社が次々誕生。

  • この時代のガスは「石炭ガス(石炭を蒸し焼きにして得られるガス)」が主流。

当然、このガスを運ぶには専用の配管(導管)が必要で、当初は鉄製の地中埋設配管が手作業で敷設されていきました。


◆ 戦後復興と都市化で広がったガス配管網

 

第二次世界大戦後、都市の復興とともに住宅供給が加速し、家庭用ガスの需要が急増しました。

  • 1950〜60年代:高度経済成長とともに都市ガスの供給エリアが拡大。

  • 地中配管は**鋼管の被覆型(SGP+タールエポキシなど)**が中心。

  • 鋼管の防食処理と溶接接続が“職人技”の見せどころだった時代。

同時に、都市ガスとは別に、**プロパンガス(LPガス)**も地方・郊外を中心に普及。
こちらは地中配管というよりも、地上配管・建物内の二次配管を中心に発展していきます。


◆ 技術革新とガス種の転換

 

1970年代以降、ガス配管工事の現場に大きな転換が起きます。

  • 天然ガスの導入(13Aなど)により、**“ガス種転換工事”**が全国で実施。

  • 同時に、ガス機器の更新と室内配管の見直しが求められた。

  • 配管材料も、鉄からポリエチレン(PE管)・ステンレスフレキ管(SF管)へと進化。

これにより、配管工事の施工性・耐食性が格段に向上し、都市ガス供給の安全性と普及力が飛躍的に高まったのです。


◆ 現代:ガス工事は“見えない安心”をつくる技術へ

 

今や、ガス配管工事は

  • 地中 → 耐震・防食・折損防止

  • 建物内 → デザイン性・保守性・ガス漏れ検知

  • 検査 → 漏洩試験・中間検査・竣工後報告

など、**施工だけでなく「安全保証のための手続きと検査体制」**が非常に重視される時代です。

さらに近年は、災害リスクへの対応も進んでいます:

  • 地震に強い「フレキシブル導管」の採用

  • マンション向け「耐震バルブ」や自動遮断システムの普及

  • IoT連動のガス機器やセンサー活用の取り組み

まさにガス配管工事は、**都市の安心を“見えない場所で作る仕事”**として、社会的な責任がより重く、より高度な技術職へと進化しているのです。


◆ まとめ

 

ガス配管工事の歴史は、都市の発展と生活の変化に寄り添ってきた歩みです。
そして今もなお、「安全・効率・環境・防災」という複数の軸で進化を続けています。

次回は、こうした技術の進歩の上に立つ**“現場での鉄則”**について、施工者が守るべきポイントを徹底解説していきます。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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