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皆さんこんにちは!
有限会社品川組、更新担当の中西です。
いつもガス配管メンテナンス講座をご覧いただき、ありがとうございます。
これまで「メンテナンスと交換時期」「緊急時のトラブル対応」をご紹介してきましたが、今回は“新設工事”にフォーカス。安全で長持ちする配管システムを構築するための事前準備から、現場施工時の品質管理、完了後の検査・引き渡しまで、重要ポイントを詳しく解説します。
建物構造との整合性
配管ルートは、耐火区画や構造体への干渉を避ける。壁内・床下スペースを事前にスキャンし、配管経路図を作成。
周辺インフラの把握
電気ケーブル、水道管、下水管など既存インフラとの干渉を回避。CADデータやBIMモデルを参照し、掘削位置や貫通部を正確に設計。
地盤・土質調査
地下配管の場合は、ボーリング調査で土質・地下水位を確認。凍結帯や地盤沈下のリスクを評価し、配管支持方法や保温対策を計画。
配管素材の選択
建物用途に応じてSGP(スチールガス管)、ステンレス鋼管(SUS304/SUS316)、PE管を比較。耐食性、耐震性、コスト、施工性を総合評価。
継手・バルブ類
ガス用フランジ、溶接継手、ねじ込み継手の特性を理解し、漏れリスクの低い溶接継手をメインに採用。バルブはISO規格品で圧力・温度範囲を確認。
保温・防食材
屋外露出部や地下配管には、エポキシ粉体塗装+防食テープ+保温材(発泡ポリウレタン)を組み合わせ、結露・凍結・腐食から保護。
仮設設備と安全対策
仮設足場、照明、換気ファンを設置し、作業環境を確保。安全帯フック位置や非常用避難経路を明示した現場図を掲示。
材料検収・保管管理
納入部材は製造証明書(材質証明、溶接証明)を確認し、傷・凹みの有無を検査。屋外保管時は防水シートで覆い、直射日光・雨水を防止。
墨出し・レベル出し
レーザー墨出し器で配管中心線を正確にマーキング。水平・垂直をミリ単位で管理し、傾斜配管部は勾配1/200以上を厳守。
溶接・継手施工
溶接はWPS(溶接手順書)に従い、溶接条件(電流、電圧、溶接棒種類)を管理。溶接後は外観検査と磁粉探傷試験で欠陥を検出。
バルブ・計器取り付け
バルブは締め付けトルク管理を実施し、ねじ込み部はシールテープを適量使用。圧力計や流量計は取り付け位置と取扱説明書に従い設置。
耐圧試験
配管完成後に規定圧力(最大使用圧力の1.5倍程度)で耐圧試験を実施。30分以上維持し、圧力低下がないことを確認。
漏れ検査
ガス検知器による全継手部のスキャン、石鹸水テストでの気泡チェックを実施。異常箇所は再溶接または継手再施工。
検査記録の作成
試験結果、検査日、担当者名を記録し、是正措置履歴を含む検査報告書を作成。図面に検査合格印を押印し、図面管理システムに登録。
官庁検査対応
ガス事業法や都市ガス供給約款に基づく検査項目(耐圧試験、漏れ検査、器具設置基準)を満たし、検査官立ち会いのもと試験を実施。
お客様立会い
使用方法、緊急停止操作、定期点検方法を説明し、取扱説明書・保証書を手渡し。質問を受け付け、不明点を解消。
初回アフター点検
引き渡し後1ヶ月以内に初回点検を実施し、緩みや漏れがないか再確認。点検結果を報告書にまとめ、お客様に提出。
メンテナンス計画提案
今回の施工データをもとに、3年・5年・10年の定期点検スケジュールを提案。点検項目ごとのチェックリストを共有し、安心の長期サポートを約束。
事前調査と計画:インフラ干渉、地盤調査、材料選定を徹底し、安全かつ耐久性の高い設計を実現。
施工品質管理:墨出し・溶接・耐圧試験・漏れ検査を厳格に実施し、検査記録を一元管理。
引き渡しとフォロー:官庁検査対応から初回点検、長期メンテナンス計画提案まで、ワンストップでサポート。
これらのポイントを押さえることで、新設ガス配管工事を安全・高品質・効率的に進めることができます。
次回第4回では、「ガス配管の更新技術とレトロフィット工法」をテーマに、既設配管の改修・更新を効率的に行う最新技術をご紹介します。どうぞお楽しみに!
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