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日別アーカイブ: 2025年4月15日

品川組のよもやま話~第5回~

皆さんこんにちは!
有限会社品川組、更新担当の中西です。

いつもガス配管メンテナンス講座をご覧いただき、ありがとうございます。


ガス配管の新設工事と施工品質管理

これまで「メンテナンスと交換時期」「緊急時のトラブル対応」をご紹介してきましたが、今回は“新設工事”にフォーカス。安全で長持ちする配管システムを構築するための事前準備から、現場施工時の品質管理、完了後の検査・引き渡しまで、重要ポイントを詳しく解説します。


1. 事前調査と計画立案

1-1. ルート選定と障害物調査

  • 建物構造との整合性

    • 配管ルートは、耐火区画や構造体への干渉を避ける。壁内・床下スペースを事前にスキャンし、配管経路図を作成。

  • 周辺インフラの把握

    • 電気ケーブル、水道管、下水管など既存インフラとの干渉を回避。CADデータやBIMモデルを参照し、掘削位置や貫通部を正確に設計。

  • 地盤・土質調査

    • 地下配管の場合は、ボーリング調査で土質・地下水位を確認。凍結帯や地盤沈下のリスクを評価し、配管支持方法や保温対策を計画。

1-2. 材料・部材の選定

  • 配管素材の選択

    • 建物用途に応じてSGP(スチールガス管)、ステンレス鋼管(SUS304/SUS316)、PE管を比較。耐食性、耐震性、コスト、施工性を総合評価。

  • 継手・バルブ類

    • ガス用フランジ、溶接継手、ねじ込み継手の特性を理解し、漏れリスクの低い溶接継手をメインに採用。バルブはISO規格品で圧力・温度範囲を確認。

  • 保温・防食材

    • 屋外露出部や地下配管には、エポキシ粉体塗装+防食テープ+保温材(発泡ポリウレタン)を組み合わせ、結露・凍結・腐食から保護。


2. 施工品質管理のポイント

2-1. 施工前の現場準備

  • 仮設設備と安全対策

    • 仮設足場、照明、換気ファンを設置し、作業環境を確保。安全帯フック位置や非常用避難経路を明示した現場図を掲示。

  • 材料検収・保管管理

    • 納入部材は製造証明書(材質証明、溶接証明)を確認し、傷・凹みの有無を検査。屋外保管時は防水シートで覆い、直射日光・雨水を防止。

2-2. 配管施工手順とチェックリスト

  • 墨出し・レベル出し

    • レーザー墨出し器で配管中心線を正確にマーキング。水平・垂直をミリ単位で管理し、傾斜配管部は勾配1/200以上を厳守。

  • 溶接・継手施工

    • 溶接はWPS(溶接手順書)に従い、溶接条件(電流、電圧、溶接棒種類)を管理。溶接後は外観検査と磁粉探傷試験で欠陥を検出。

  • バルブ・計器取り付け

    • バルブは締め付けトルク管理を実施し、ねじ込み部はシールテープを適量使用。圧力計や流量計は取り付け位置と取扱説明書に従い設置。

2-3. 中間検査と是正措置

  • 耐圧試験

    • 配管完成後に規定圧力(最大使用圧力の1.5倍程度)で耐圧試験を実施。30分以上維持し、圧力低下がないことを確認。

  • 漏れ検査

    • ガス検知器による全継手部のスキャン、石鹸水テストでの気泡チェックを実施。異常箇所は再溶接または継手再施工。

  • 検査記録の作成

    • 試験結果、検査日、担当者名を記録し、是正措置履歴を含む検査報告書を作成。図面に検査合格印を押印し、図面管理システムに登録。


3. 完了検査と引き渡し

3-1. 最終立会い検査

  • 官庁検査対応

    • ガス事業法や都市ガス供給約款に基づく検査項目(耐圧試験、漏れ検査、器具設置基準)を満たし、検査官立ち会いのもと試験を実施。

  • お客様立会い

    • 使用方法、緊急停止操作、定期点検方法を説明し、取扱説明書・保証書を手渡し。質問を受け付け、不明点を解消。

3-2. 引き渡し後のフォローアップ

  • 初回アフター点検

    • 引き渡し後1ヶ月以内に初回点検を実施し、緩みや漏れがないか再確認。点検結果を報告書にまとめ、お客様に提出。

  • メンテナンス計画提案

    • 今回の施工データをもとに、3年・5年・10年の定期点検スケジュールを提案。点検項目ごとのチェックリストを共有し、安心の長期サポートを約束。


まとめ

  • 事前調査と計画:インフラ干渉、地盤調査、材料選定を徹底し、安全かつ耐久性の高い設計を実現。

  • 施工品質管理:墨出し・溶接・耐圧試験・漏れ検査を厳格に実施し、検査記録を一元管理。

  • 引き渡しとフォロー:官庁検査対応から初回点検、長期メンテナンス計画提案まで、ワンストップでサポート。

これらのポイントを押さえることで、新設ガス配管工事を安全・高品質・効率的に進めることができます。

次回第4回では、「ガス配管の更新技術とレトロフィット工法」をテーマに、既設配管の改修・更新を効率的に行う最新技術をご紹介します。どうぞお楽しみに!


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